先日、クライアント先で分析タスクを指示してから昼ごはんを食べに出て、戻ってきたら結果が画面に並んでいました。指示から着席までおよそ50分、私は味噌汁とアジフライを食べていただけです。「Claude in Excel」を北陸の現場で実際に触ってみた正直な感想を、一緒に整理していきたいと考えています。
昼休みGO、戻ったら分析完了──あの日起きたこと
その日は金沢市内のクライアント先で、業務フロー改善のミーティングでした。話の流れで「ちょっと見せますね」とスタッフさんのPCをお借りして、Claude in Excelのデモを始めました。
お見せしたのは4つの操作です。
- 数式作成(「この列とこの列を突き合わせて差分を出して」と話しかけるだけ)
- シートの中身を要約してもらう
- 崩れたレイアウトを整形し直してもらう
- 取引先からもらったPDFを読み込んで、社内向け資料にまとめ直してもらう
4つ目が終わった瞬間、スタッフさんの目が変わりました。「これ、私がいつも半日かけてる作業です」と小さな声で言われて、私もちょっと胸が熱くなりましてね。
勢いのままスタッフさんに断って、普段使っている在庫シートを借りました。「このシートの異常値と、先月比で動きが怪しい商品を洗い出してほしい」と指示を入れて、5分ほどでプランをまとめる。そこで時計を見たらちょうど12時。「GOだけ押して、昼飯いきましょうか」と冗談のつもりで言ったら、社長が「行きましょう行きましょう」と笑って、みんなで近くの定食屋へ歩いていきました。
戻ってきたら、分析が終わっていました。異常値のリスト、先月比で動きの怪しい商品、その理由の仮説、次に確認すべき売上データの候補まで、きれいに並んでいました。スタッフさんが画面を覗き込んで、「私が昼休み削ってやってたやつ……」とつぶやいたのが忘れられません。
その日の夕方、社長から「Claude Team、入れます」と連絡が来ました。今そのクライアントでは、スタッフさんたちが日常的にClaude in Excelを触り始めています。
Claude in Excelって、結局なにが違うのか
「ChatGPTにコピペすれば同じじゃないのか」「Copilot in Excelがもうあるじゃないか」と感じた方もいるかもしれません。私も最初はそう考えていました。
違いを一言でいうと、Excelの中にClaudeが同居している感覚です。シートを開いたまま、右側のパネルに話しかけると、Claudeがセルの中身を直接見て、直接触ってくれる。コピペで会話相手に説明する手間がごっそり消えます。
Copilot in Excelも触ってきましたが、Claude in Excelの方が現場の雑然としたシートへの理解力が明らかに上でした。「A列が商品コードで、B列は在庫数ですが途中から単位が変わっていて、E列の計算式が途中で壊れている」みたいな、現実の中小企業のシートをそのまま読み解いてくれます。きれいに整った教科書的なデータではなく、10年使い回されて継ぎ接ぎだらけのシート。それを相手にできるのは、現場目線では大きな差だと感じています。
2026年1月24日にベータ版としてリリースされ、Pro(月$20、日本円でおよそ3,000円)・Max・Team・Enterpriseの各プランで使えます。ひとまず個人で試すならProで十分です。
でも、怖さはあります──正直に書いておくこと
ここだけは正直に書いておきたいのですが、万能ではありません。現時点で私が確認している制約は次の3つです。
- マクロやVBAには対応していない。既存のマクロ資産をそのままClaudeに動かしてもらうことはできない
- セッションをまたぐとチャット履歴は保存されない。続きから再開したい時は、前提を貼り直す必要がある
- 重要な数値は、人のダブルチェック必須。金額・税率・締め日が絡むセルは、Claudeの答えをそのまま経営判断に使わない方が安全
それと、もうひとつの「怖さ」。「ChatGPTを始めたけど続かなかった」という声を、私は北陸のセミナーで何度も聞いてきました。ツールが高機能なほど、使いこなせない自分に落ち込んで離れてしまう。これが一番もったいないと考えています。
Claude in Excelの良さは、この「続かない」の入口にハマりにくいところにあります。いつものExcelを開くだけで、いつも通りの仕事の中に話し相手がいる。Webのチャット画面を新しく開き直す必要がないので、心理的な段差がほぼありません。
セキュリティ面については、社外秘データを扱う場合はTeam/Enterpriseプランでの運用と、社内の利用ルール整備をセットにするのが前提です。ここは一緒に設計していきたいところです。
まず試すなら、このタスクから
では最初の一歩として何をやればいいか。私の提案はひとつだけです。
いつも見ているExcelを開いて、「このシートを要約して」と話しかけてみてください。
それだけです。新しいデータを用意する必要もなければ、プロンプトを考え込む必要もありません。在庫表でも、売上集計でも、顧客リストでも構いません。いつもの画面のまま、Claudeに話しかけてみる。返ってきた答えを見て、「ここ違うな」「ここは正しいな」と判断するだけで、十分に第一歩です。
Claude in Excelに慣れてくると、自然と「これ、もっと任せられないか」という欲が出てきます。そこから先はCowork(Claude Desktopの作業モード)やClaude Codeといった、より深い活用の入り口が開いています。使い慣れたExcelという入口から、AIと仕事するという景色まで、段差なく続いていく。これが現場で触ってみた一番の発見でした。
もし「自社のExcelで試したいけど、どこから手を付ければいいか迷う」という方がいらっしゃったら、一度お話を聞かせてください。北陸(石川・富山・福井)は直接お伺いできますし、オンラインでも大丈夫です。
ExcelとAI の記事はこちらにまとめています。
